

自由学習タイム
「自由学習タイム」って、どんな時間?
「自由学習タイム」は、ただ“自由に好きなことをする時間”ではありません。一人ひとりの興味・関心、気分、集中力、そのときのエネルギー状態などに合わせて、「いま自分がやってみたいと思えること」や「これなら少しだけ取り組めそう」と思えることを、探究コーチと一緒に取り組む時間です。
学校や塾、家庭では、どうしても「みんなと同じ課題に取り組む」ことが求められる場面が多くあります。
たとえば、学校の授業では「今は算数の時間だからこの問題を解きましょう」と、みんなが同じペースで学ぶことが基本です。塾では「テストに向けてこの単元を勉強しましょう」と、決められたカリキュラムに沿って進みます。家庭でも「宿題を終わらせようね」「そろそろ勉強の時間だよ」と、親が声をかける場面が多くあります。
こうした学習スタイルには、「一定の知識を身につける」「集団で学ぶ力を育てる」「協調性」や「計画的に取り組む力」といった良い面があります。しかし一方で、
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「今日は気分が乗らない」
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「体調がいまひとつ」
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「やり方が分からず戸惑ってしまう」
といった理由で、思うように学びを進められないことも少なくありません。
そんな中で、自由学習タイムは「いまの自分」に合った学び方や過ごし方を自分で選ぶことを大切にしている時間です。
たとえば…
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「今日は元気だから、プリントに挑戦してみよう」
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「今日はちょっと疲れているから、調べ物やお絵描きでゆっくり過ごそう」
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「なんだかモヤモヤするから、コトリ日記に気持ちを書いてみよう」
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「最近気になっていることがあるから、インターネットで調べてみよう」
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「アイデアが浮かんだから、工作や創作活動にチャレンジしてみよう」
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「たまっていた宿題を、できるところから少しずつ進めてみよう」
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「目標に向かってがんばりたいから、受験勉強やテストの予習に取り組もう」
こうした「自分で選び、自分のペースで取り組む経験」を積み重ねることで、お子さんは少しずつ学びに向かう力や、自分で考え行動する力の土台を作ることができます。自由学習タイムは、まさにその土台作りの時間なのです。


アイスブレイク
まず、学びや活動の時間の最初には、アイスブレイクの時間を設けています。
「今日はどんな気分?」「最近ハマっていることはある?」といった質問を通して、一人ひとりの興味や関心に丁寧に触れていきます。この時間は、ただ学習や課題に取り組む準備をするためのものではありません。**『自分の気持ちを安心して出せる場』**をつくることを何より大切にしています。
子どもたちが発する一言や表情には、そのときの心の状態や「今、話したいこと」「大切にしていること」が表れています。たとえ小さな言葉や短い文章でも、それは皆さん自身の思いを表すサインです。ノートやコトリ日記帳に書きながら見せて共有することで、「自分の思いを受け止めてもらえる」と感じ、安心感につながります。
アイスブレイクの時間は、子どもたちの心理的安全基地です。探究コーチは、表情や声のトーン、姿勢や仕草などの微細なサインにも目を向け、たとえば少し視線をそらす、手を握りしめる、口元が緊張している、といった変化にも見ながら。これらのサインを受け止めながら、無理のないスモールステップで活動につなげることで、「やってみようかな」という気持ちを少しずつ育むことができます。


「ひとつだけ」から始める小さなチャレンジ
学ぶことに大きな準備はいりません
「今日はこれだけならできそう」
そんな小さな“ひとつ”の挑戦が、やがてお子さんの大きな自信につながります。
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「教科書の問題、今日は1問だけにする」
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「好きなキャラクターについて調べて、探究プランを一緒にまとめる」
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「音楽を聴いて、自分の気持ちを日記に書いてみる」
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「算数はちょっと難しいけど、図形のパズルならできそう」
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「今日は本を眺めるだけにしておく」
「ひとつだけ」から始める小さなチャレンジ
自由学習タイムで一番大切にしているのは、完璧にやることではなく、「やってみた」という体験です。
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「今日は1つだけできた」
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「いつもより少し長く集中できた」
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「やる前は不安だったけど、やってみたらちょっと楽しかった」
その一つひとつが、**「自分にもできることがある」**という実感=自己効力感につながります。
自由学習タイムでは、「小さな成功体験を積み重ねる」ことに重点を置き、段階的にスモールステップで進めています。
1. 教科書・ワーク
教科書やワーク、お家にある問題集を自由に使えます!
「ここがわからない」「この部分が難しい…」と思ったら、答えを教えるのではなく、探求コーチと一緒に考えていきます。
苦手なところを練習したり、得意な部分をもっと伸ばしたり、自分のレベルやペースに合わせて進められます。
復習や予習をしたり、ちょっと先のことを勉強したりしてみましょう。
2. 家にある本や図鑑
星座、恐竜、昆虫、動物……もし「これが好き!」と思うテーマがあったら、家にある本や図鑑を開いて、もっと知ってみよう!
「どうして星座にはこんな名前がついているのかな?」「恐竜はどんな時代に生きていたのかな?」など、自分が気になることを調べると、ワクワクする発見が待っています。
3. 自分で問題やプリントを作ってみる
「草食動物の名前を当てるクイズ」や「恐竜の足が速いランキング問題」を自分で考えてみよう!
たとえば、「この動物は肉食かな?」「どんな食べ物が好きかな?」といった問題を作ると、動物についてもっともっと知りたくなるよ!
そして、自分が出題者になって、探求コーチやお友だちにその問題を出してみるのも、すっごく楽しいよ!
「わー、この動物ってこんなに速く走れるんだ!」とか、「こんな名前の恐竜がいたんだ!」って、問題を出すことで新しい発見がどんどん増えていくんだ!
自分が出題者となって、探求コーチやお友だちと問題を出し合うことで、新しい発見をどんどん見つけることができます。
学びの楽しさを広げ、友だちと一緒に進んでいくことができる、とってもワクワクする方法です!
4. 探求コーチオリジナルの問題集
『探求コーチオリジナル問題集』には、「動物のすごい能力クイズ」や「身近な化学実験クイズ」など、ワクワクする問題がいっぱい!
★の数が増えるごとにレベルアップ!
★問題 → ★★問題 → ★★★問題 のように、国語・算数・理科・社会・英語など、いろんな教科から好きなものを選んでチャレンジできます。
もし苦手な教科があれば、最初から大きな目標を設定するのではなく、小さな「できた!」を積み重ねていくスモールステップで進めてみましょう。
たとえば、★問題を3つクリアしたら次のステップ、★★問題に挑戦!
「ちょっとわかった!」が増えていくと、自信につながります。
探求コーチと一緒に進めていくうちに、「これ、知ってる!」「やった!できた!」という達成感から、向上心につなげていきます。
■ 国語
「今日読んだ文章の中から、“自分ならこう書く”と思うところを1つ書きかえてみる」
→ 表現力や言語感覚を活かし、自分なりのスタイルで再構築。
創造的な発想を促す学びになります。
■ 社会
「歴史上の人物を1人選んで、“もしこの人が今生きていたら何をするか”を想像して書いてみる」
→ 単なる暗記ではなく、時代を超えた想像力を育む探究型の学びです。
■ 理科
「気になる言葉を2つだけ選んで、それを見て何を思い出すか、連想ゲームしてみよう」
→ 例:「光」と聞いて思いつくものは?「太陽!」「懐中電灯!」「花火?」
どんな連想でもOK。正解・不正解はなく、自由で楽しい時間です。
■ 学び方は自由です
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「今日は集中できるな」と思えば、どんどん取り組んでOK。
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「ちょっとしんどいな」と思えば、ほんのひとつだけでも大丈夫です。
学習の進め方も自分で選べます。
カメラやマイクのオン・オフは自由。チャットで質問することも可能です。
途中参加や途中退席もOKです。
「ちょっと休憩したいな…」と思ったら、探究コーチや友達とゲームやアニメの話をしたり、好きなキャラクターを描いたりしてもかまいません。
振り 返りの時間「コトリ日記帳」
自由学習タイムが終わったら、コトリ日記帳で振り返りの時間です。
「書かなきゃ」ではなく、**「ちょっと書いてみようかな」**と思ったときに書けるのが、コトリ日記帳です。
正解はありません。ほんのひと言でも大丈夫です。
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一次関数の「y = 2x + 1」の式が出てきたけど、2が“傾き”ってことがわかった!
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単語を3つ覚えた!
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九九の5の段がちょっとだけスラスラ言えた
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“ちょっと難しかった…”と思ったけど、最後までがんばれた
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なんとなく気分がのらなかったなあ
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途中で疲れたから、ちょっと休憩した
このように、「できた!」という達成感だけでなく、「つまずいたこと」「疲れたこと」「よくわからなかったこと」も、すべてが大切な学びのたねです。
「コトリ日記帳」は、勉強の“結果”を記録するためだけのものではありません。
むしろ大切なのは、**「その日、自分の中で何を感じたか」**に気づくことです。
そうした気づきは、自分を知る第一歩であり、**「今の自分のままで大丈夫」**と感じられる体験にもつながります。
その日の小さな気づきや感じたことをコトリ日記帳に書いてみましょう。
無理に毎日書かなくても構いません。
「書きたいときに書く」という自由さが、「書く=表現すること」へのハードルを下げてくれます。
「まだよくわからない…」というつぶやきも、大切な一歩です。
探究コーチは、そのメモを受け止め、さりげなく次のヒントや関心へつなげていきます。